国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動

今回は自衛隊関連の書籍を紹介するコーナーへの投稿です。

現役自衛官、退職自衛官、未来の自衛官、また自衛官でない人達にもお読み頂きたい一冊です。

評価、考え方は人それぞれを前提としてお読み頂いたほうが面白いと思います。

国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)
伊藤 祐靖
文藝春秋
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新安保法制が施行され、自衛隊員の「戦死」がいよいよ現実味を帯びてきました。
入隊にあたって、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務める」と宣誓してきた隊員たちは、命令一下、「死地」に飛び込むことが求められます。

ぎりぎりの状況に置かれた隊員たちの最後の願いは、自分の死が国家、もしくは公のために役に立つことです。
つまり「私」を捨てきった境地にあるからこそ、「国のために死ぬ」ことを受け入れることができるのです。

しかし、その命令が、たとえば「他の国とのお付き合いのため」に発せられたものであったり、政治家の人気取りのためのものであったりしたら、その命令は本当に「正しい」ものと言えるのでしょうか。
つまり、今の日本に、自衛隊員に「死ね」と命じる資格はあるのでしょうか。

1999年の能登沖不審船事件をきっかけに創設された自衛隊初めての特殊部隊「特別警備隊」の先任小隊長として、足掛け8年にわたって部隊を率い、国防のまさに最前線にいた筆者が、「国のために死ぬこと」の意味をとことん突きつめたのが本書です。

戦前、陸軍中野学校で教育を受け、蔣介石暗殺を命じられたが果たせないまま終戦を迎えた父親、上官を「こいつ」呼ばわりしながらも、最強の戦闘員ゆえに異例の出世を遂げた陸上自衛官X、自衛隊を辞めたあと移り住んだミンダナオ島で死線をくぐりながら一緒に戦う技術を練磨した美しき女性戦士など、多彩な人物が織り成す物語は、やがてあるべき国家像をわれわれの前に見せてくれます。