(はいぽーと)ハイポート

小銃を身体の前で支えながら走る行為、これがハイポート。

在隊していた時代は64式小銃だったから、重さが約4.3キロ。
この銃を身体の前で支えながら走るわけだが、距離と共に両腕が痙攣し始める。

定められた定位置を保持しながら走るので、腕が触れない辛さは駆け足をする人ならよくわかるだろう。

そして自衛隊の駆け足は必ずと言っていいほど掛け声(号令)を叫びながら走る。
つまり呼吸まで乱されるわけだ!
実際体力のない隊員は過呼吸で倒れたり、脱水症状で倒れたりもする。

そしてハイポート中は弾帯にぶらさげた満水の水筒と、銃の弾倉の重みが辛さに拍車をかける。

ってことで、新隊員前期教育の後半は戦闘訓練を実施するので、このハイポートが日常の恐怖になる。

前期教育の最後で実施する、25キロ行軍の最後もハイポートで数キロ走らされてゴール。
6月という夏を前にした季節の効果もあり、半長靴の中が燃えるように熱かったのを覚えている。





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